門司港レトロはどんな街?
空から眺めてみよう
ユニークな地形が生んだドラマ
門司港レトロの街並みを読み解くとき、関門海峡を中心に広くとらえてみるのがおすすめです。鳥になった気分で、街を見下ろしてみましょう。大きな河川のような海峡があり、左右に街が広がっています。左が下関(本州)、右が門司港(九州)としましょう。狭いところでわずか650mほどの海峡を、多くの船が行き交っています。
両岸に見える歴史的建築物の数々は、貿易港として栄華を誇った時代を映し出しています。2つの街を繋いでいる大きな橋は「関門橋」、その下には自動車用トンネル「関門トンネル」と歩行者用トンネル「人道」が通っています。移動する船を見事にかわしながら、門司港と下関を往復している小さな船は関門連絡船です。
門司港レトロは、関門海峡や対岸の下関抜きに語ることはできません。2つの街は海峡を挟んで同じ時代を共有し、影響を与え合ってきました。このドラマチックな地形がもたらした歴史や人間ドラマに思いを馳せれば、門司港レトロの街の奥深さをよりよく理解できるはずです。門司港の風景の向こうには、いつも海峡と対岸の街が輝いています。
2つの空気をまとう街
自由で陽気な人々
東京から見れば、はるか西の海辺の街。九州から見れば、北の端っこ、終点駅の街。そんな、中央から少し離れた門司港には、多様な生き方を受け入れる懐の深さ、あたたかさが溢れています。「自由」という言葉がよく似合う、のんびりとした港町。老若男女問わず、この雰囲気に惹かれて移住する人の数も増えています。
一方、関門海峡は早くから海外との接点を持った場所でもあります。対岸は旧長州藩の下関。新しい感覚に誰よりも早く目覚め、時代を牽引してきました。そしてある時代は、日本屈指の貿易港として発展をとげました。新しい情報・文化を貪欲に取り入れてきたこの街の人々は、人生の誇りを心に抱き、快活な陽気さに満ちています。
門司港は2つの空気、「町はずれ」の空気と「中心部」の空気をまとったユニークな街だといえます。既存の概念にとらわれない自由な発想から、独自の発展をとげたアメリカの西海岸のようだ、というのは言い過ぎでしょうか? 門司港駅のプラットホームに降り立てば、古き良き時代を感じる薄暗い構内に、海の輝きをたっぷり吸収した眩い外光が差し込み、いつの時代も変わらない潮風が吹き込んできます。
街角で出会う語り草
人の記憶とタイムトリップ
「お客さんどちらから?」「なんにもないけど落ち着くでしょ」「昔は芸妓さんがこの坂を歩いてね……」お店の暖簾をくぐると、こんな会話が飛び交っています。門司港に来たら、ぜひ街の人に声をかけてみてください。門司港レトロ地区の周辺にも、栄町銀天街や清滝など、多様な色をもったエリアがあり、そこには古くから続く和菓子屋や角打ち、新しくオープンしたカフェやギャラリーなどのお店があります。
ある人は、栄華を極めた時代の花街の話をしてくれるかもしれません。ある人は戦時中の街のことを、ある人は移住の経緯を教えてくれるかもしれません。なかには、口数の少ない人もいるでしょう。その仕草や態度すべてが、この街のことを語っています。彼らの語り口に耳を傾ければ、門司港のことをもう一つ深く知ることができるでしょう。
港町だからでしょうか。この街の人はいつでも旅人を待ち、歓迎し、喜んで送り出しています。情に厚いが、どこかカラッとしていて執着しない。交わっては離れ、また交わる。この街に暮らす人々の歴史がこの街に厚みをもたらし、門司港にやってくる旅人たちがこの街を彩っているのです。
お問い合わせ・アクセス
名称 | ⾨司港レトロ |
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住所 |
福岡県北九州市⾨司区港町 JR⾨司港駅から徒歩2分 |
電話番号 | 093-331-6700(Fax: 093-331-67 |
mojiko@——– | |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
休館⽇ | 年5⽇不定休 |